康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 290 ページ)
【寅集上】【宀部】寡。康煕筆画 14。頁碼:290 頁 19 行。『唐韻』『集韻』『韻会』『正韻』に古瓦切、瓜の上声に読む。『説文解字』に「少なし」と釈す。字形は「宀」と「頒」より成る。「頒」は分賜の義。屋宇の下に分賜すれば、故に少なくなる。『爾雅・釈詁』に「罕なり」と釈す。『易経・謙卦』に「君子は余りを取りて足らざるを補い、物を称えて公平に施す」。『繋辞』に「吉なる人は言少なし」。また『釈名』に「孤独なり」と釈す。孤零零として独りあるなり。『尚書・梓材』に「孤寡を敬うに至る」。『周礼・夏官・大司馬』に「九伐の法をもって諸侯を正し、弱を凌ぎ寡を侵せばこれを討つ」。また『大戴礼記』に「五十にして夫なきを寡と曰う」。また凡そ寡婦を皆寡婦と称す。また夫なく妻なきを寡と曰う。男子に妻なきを「索」といい、女子に夫なきを「嫠」という。また王侯の謙称。『礼記・曲礼』に「諸侯自らを寡人と称す」。『論語』に「他国に対して自国の君の夫人を寡小君と称す」、皆己が徳の少なきを言うなり。また『詩経・大雅』に嫡妻を指す。〔注〕嫡妻。〔箋〕唯一無二の妻、賢徳を言う。〔疏〕嫡妻はただ一人なれば、故に寡という。また公戸切に叶い、音は古。『詩経・小雅』に「貧苦を恵み、鰥寡を憐れむ」。上の句の「野」の字と韻を協す。「野」は暑に読む。また『大雅』に「鰥寡を侮らず」。上の句の「吐」、下の句の「御」と韻を協す。また古火切に叶い、音は果。『陸雲・歳暮賦』に「年歳は留め難くして去り易し、情は艱多くして泰少なし。歳来たりてまた我を棄つ、時は計るべからずして皆我がものに非ず」。『正字通』に「本は寡と作る」。『正訛』に「俗字は力に従って寡と作るも非なり。寡字の下は力に従って作る」。考証:『論語』に「君の夫人自らを寡小君と称す」。謹んで原文に照らし、「他国に対して自国の君の夫人を寡小君と称す」と改む。