康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1302 ページ)
【戌集上】【金字部】鉤;康煕筆画:13;頁碼:1302 頁 08 行
【広韻】古侯切【集韻】【韻会】【正韻】居侯切、音は溝。
【玉篇】鉄の曲がったもの。
また【広韻】剣の類。
【韻会】古代の兵器に鉤と鑲があり、いずれも剣の類である。引き寄せるものを鉤、押しやるものを鑲という。
【前漢・韓延寿伝】刀剣鉤鐔を鋳造す。
【注】鉤もまた兵器なり。剣に似て曲がり、人を鉤り殺すに用いる。
また剣の環(つば)。
【戦国策】鉤竿鐔なく、蒙須の便なし。
【注】鉤は剣頭の環なり。
【史記・楚世家】楚国の鉤の喙を折るも、九鼎を為すに足る。
【注】凡そ戟に鉤喙あるは、すなわち鉤口の尖端なり。言うらく、楚国の戟の鉤にして口尖の折れたるもの、鼎を铸するに足るべしと。
また剣の名。
【淮南子・修務訓】純鉤・魚腸。
【注】純鉤は利剣の名なり。
また刀の名。
【鮑照・楽府】錦帯に呉鉤を佩ぶ。
【沈括曰く】呉鉤は刀の名なり。刀彎なり、今南方の蛮これを用い、葛党刀と称す。
【李賀の詩】男児何ぞ呉鉤を帯びざらんや。
また釣鉤。
【荘子・外物篇】任公子大鉤巨緇を作り、五十犗を餌とし、会稽に蹲踞し、竿を東海に投じ、日々釣る。
また帯鉤。
【孟子】豈に一鉤の金を謂うや。
【注】鉤は帯鉤なり。
また禾を刈る鎌を刈鉤と称す。
【前漢・龔遂伝】龔遂渤海太守となり、盗賊弓弩を棄てて鋤鉤を取る。
また幔鉤。
【隋書・蘇威伝】蘇威宮中に銀をもって幔鉤を作るを見、節儉の美徳を盛んに称え、皇帝これにより动容す。
また馬頷鉤。
【詩・大雅】鉤膺鞗革。
【注】馬頸下の鉤なり。
また凡そ物を懸くるものを鉤と称す。また鹿觡ともいい、鉤格ともいう。【揚子・方言】に見えたり。
また物を鉤り取る。
【左伝・襄公二十三年】人有り戟をもって之を鉤る。
また【正字通】義理を鉤索するは、窮究すると言うがごとし。
【易・繋辞】深きを鉤り遠きを致す。
【疏】事物深きに在りて、能く鉤り出だす。
また繞(めぐ)る。
【儀礼・郷射礼】豫なれば則ち楹内を鉤る。
【注】楹を鉤るとは、楹を繞りて東に向かうなり。
また曲がる。
【戦国策】弓撥き矢鉤る。
【注】鉤とは箭头の曲げるなり。あるいは「拘」と作る。古通用す。
また扣留す。
【前漢・鮑宣伝】吏を遣わして丞相掾史を鉤止む。
【注】鉤とは扣留なり。
また招致す。
【前漢・趙広漢伝】善于く鉤距を用いて事の実情を得る。
【注】鉤は招致なり。距は閉合なり。答うる者に疑念なくし、問わざるも自ら知るがごとき様をなさしめ、衆人その方法の来所を覚らず、その方法を閉合するをもって「距」と為すなり。
【前漢・万年伝】陳咸みな鉤校して其の奸邪貪贓を発擿す。
また規画す。
【前漢・揚雄伝】鉤矩を帯び衡を佩ぶ兮。
【注】鉤は円規なり。矩は方矩なり。
また牽連す。
【後漢・霊帝紀】みな鉤党と為して獄に下る。
【注】鉤とは互いに牽連するを言うなり。
また車名。
【礼・明堂位】鉤車、夏后氏の路車なり。
【注】鉤とは曲轅ある車なり。
また車心木。
【易・小畜輿輻脱ぐ疏】言うらく、車の下に木を縛り、車軸相连なり、鉤心の木すなわちこれなりと。
【周礼・冬官考工記・車人】以て其の鉤を鑿る。
【注】鉤は鉤心なり。
また射箭の具。
【詩・小雅】決拾既に佽す。
【疏】決とは弦を鉤る扳指なり。
また服飾名。
【儀礼・士虞礼】鉤袒。
【注】今衣袖を捋り上げるがごとし。
【疏】漢時の人衣袖を捋り上げて臂を露わすが如きをもって、今衣袖を捋り上げるがごとしと言うなり。
また星名。
【後漢・班固伝・両都賦】周りに鉤陳之位を以てす。
【注】前書音義に曰く、鉤とは紫宮の外星なり。宮衛の位にして、またこれを象る。
また鉤鈐、詳らかには前に「鈐」字の注に見えたり。
また【字彙補】鉤芒、神名なり。句芒と同じ。
【前漢・揚雄伝】麗しき鉤芒と驂乗の蓐収兮。
また漢朝の宮殿名。
【前漢・車千秋伝】鉤弋夫人。
【注】鉤弋は宮殿名なり。趙婕妤好んで此に住む、故に鉤弋夫人と称す。
また【列仙伝】鉤弋夫人手を伸べて玉鉤を得、故に如此く称す。
また宦官の官署。
【前漢・昭帝紀】上鉤盾弄田に耕す。
【注】鉤盾は宦官近傍の官署なり。
また官名。
【前漢・百官公卿表】また中書・謁者・黄門・鉤盾・尚方・御府・永巷内者・宦者、八官令丞あり。
【注】鉤盾は苑囿に近き事務を主る。
また地名。
【前漢・李陵伝】鉤営の道を遮断す。
【注】単于の要害の道なり。
また山名。
【山海経】鉤吾の山。
また水名。
【爾雅・釈水】九河、第八は鉤盤なり。
【注】水流鉤のごとく曲がり、回旋盤繞す。
【疏】東光の南、鬲県の北に在り。
また草名。
【爾雅・釈草】鉤芺。
【注】大小拇指に似て、中空なり。茎頭に台あり、薊に似て、初生食うべし。
【疏】薊の類なり。一名鉤。一名芺。
【又】鉤、蔞姑なり。
【注】鉤は瓜蒌なり。一名王瓜。実小瓜のごとく正紅色にして、味苦し。
【博雅】茛、鉤吻なり。
また藤名。
【山海経】山上桃枝鉤端多し。
【注】郭璞曰く、鉤端は桃枝の類なり。呉任臣曰く、鉤端は藤なり。
また鳥名。
【山海経】鳥あり、形鳧に似て尾鼠のごとく、善く木に登る、其名を絜鉤と曰う。
また姓。
【正字通】宋に鉤光祖あり。
また蔵鉤。
【風土記】京城の人、日没後蔵鉤の戯をし、両隊に分かれて勝負を争う。
【李商隠の詩】坐を隔てて鉤を送り春酒暖かし。
また【正韻】「阄」と同じ。
【荀子・君道篇】籌を探り鉤を投ず。
また交鉤、語絶えず。
【欧陽修の詩】異日交鉤を説く。
また鉤輈、鷓鴣の鳴声なり。
【林逋の詩】雲水鉤輈を叫ぶ。
また【集韻】権俱切、音は劬なり。鉤町、西南夷の国名なり。
【前漢・西南夷伝】亡波を立てて鉤町王と為す。
【注】鉤の音巨于反、町の音大鼎反なり。
また【集韻】居候切、音は冓なり。鉤梯、城を攻むる具なり。
【詩・大雅】爾の鉤援を以てす。
【伝】鉤は鉤梯なり。城に鉤り上る具に用いるなり。
【釈文】鉤、古候反。また古侯反。
また【韻補】葉音拘なり。
【古詩・日出東南隅行】羅敷善く桑を採る、城南隅に桑を採る。青絲をもって籠縄と為し、桂枝をもって籠鉤と為す。