康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1426 ページ)
【集韻】【韻会】に「方文切」、音は「分」に同じ。【玉篇】には「半ば蒸したる飯」と釈す。【釈名】にいわく、「饙とは分なり、飯粒おのおの分かれるを謂う」と。また【爾雅・釈言】に「饙餾」あり、熟透せるを意味す。注にいわく、「今、飯を饙と称し、饙を蒸して熟するを餾と為す」。疏に解釈して曰く、「稔とは熟なり」。孫炎いわく、「米を蒸すを饙と為し、均しく熱するを餾と為す」。郭璞いわく、「今、飯を饙と称し、饙を蒸して熟するを餾と為す」。【説文】にいわく、「饙は一たび蒸したる米なり、餾は飯の熱気流るるなり」。これにより観るに、米を蒸して饙と為し、饙必ず餾を経て始めて熟透す。故に「饙餾」は即ち熟の義なり。【大雅・泂酌】に「以て饙饎すべし」とある。「饙」と「餴」とは音義同じ。【説文】は元来「𩞯」と作る。【字彙】は略して「饙」と作り、十二画に帰すれども、これ非なり。今これを正す。字の原は「貝」部に従い、「食」部に従わず。考証に〔【爾雅】注「今、飯を饙と呼び、饙熟するを餾と為す」。疏「郭云く、今、飯を饙と呼び、饙熟するを餾と為す」〕。謹んで原文に拠り、両所の「𩞯」の字を改めて「饙」と為す。