【広韻】【集韻】【韻会】【正韻】に方問切、音は「僨」とある。【説文】には「翬」(疾く飛ぶ)と釈されている。【爾雅・釈鳥】によれば、雉(キジ)で極めて力強いものを「奮」といい、羊でも極めて力強いものを「奮」という。螽(イナゴ類)の昆虫が羽を震わせることも「奮」という。鳥が翼を広げて飛び立とうとする様を「奮奞」という。【詩・邶風】に「不能奮飛」(翼を振って高く飛べない)とある。【史記・楽書】に「羽翮奮、角觡生」(羽毛や翼が震え、角骨が生ずる)と記される。 また、「震動する」の意味もある。【易・豫】の卦に「雷出地奮」(雷が地中より震動して出る)という。 また、「発揚する」の意味もある。【礼記・楽記】に「奮至徳之光」(最高の徳の光を発揚する)という。 また、「塵を払い落とす」の意味もある。【礼記・曲礼】に「僕展軨效駕、奮衣由右上」(僕が車軨を検査し、駕御を示し、衣を払って右側から乗る)と記される。 また、姓の一つでもある。【左伝】に、楚に司馬の奮揚という者がいたとある。 また、葉音は普麫切で、音は「片」に近い。【孫楚・韓信賛】に「秦失其鹿、英雄交戦。遂寤明主、超然虎奮」(秦がその鹿を失い、英雄が互いに争った。ついに明君に遇い、虎のごとく超然として奮い起こった)とある。字形構造は「田」の上に「奞」があるもの。俗体では「

」と書くが、誤りである。字は元来「奞」と「旧」に従う。