康熙字典解説
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【申集上】【艸部】草;康煕筆画 12;ページ 1030 第 17
古文は「屮」と作る。
【唐韻】采老切【集韻】在早切【韻会】【正韻】采早切、音は「懆」に同じ。
【説文解字】「艸」と作り、百草を指す。経典には相承えて「草」と作る。
【書経・禹貢】その地の草は甚だ茂る。
【詩経・小雅】彼れ豊かなる草の中にて。
【礼記・祭統】草を刈る時に至れば(墨刑を施行す)、もし未だ秋の政令を下さざれば、民あえて草を刈らず。【註】草艾とは、草を刈り取るを謂う。
【論衡】土の性は草を生ずるにあり、山の性は樹を生ずるにあり。
【大戴礼記・易本命】草を食む獣は走るに善くして愚なり。
また【史記・陳丞相世家】粗悪なる飲食を進ず。【註】草とは、粗きを指す。
また【篇海】草率なるを「草草」という。
【春秋・隠公四年】魯の隠公と宋公と清にて遇う。【註】「遇」とは倉卒の間の会見を謂い、両国各自礼を略す。【疏】草次とは、倉卒に猶る。
また【詩経・小雅】憂労の人は心事重ねたり。【伝】草草とは、憂心の様を形容す。
また【易経・屯卦】天地初まりて、万物草昧す。【疏】天地万物草創之初に之を造るを謂う。
また【前漢書・淮南王伝】常に司馬相如等を召して草稿を覧しめし後に遣わす。【註】文章の草稿を指す。
【百官志註】一署に六人あり、文書を起草するを務む。
【後漢書・寵伝】蕭何法律を草創す。
また【魏志・衛覬伝】衛覬は古文を好み、隷書・草書にして其の能わざるなし。
また姓と為す。【正字通】例えば草中のごとし。
また【韻補】音は脞五切、徂の上声に近い。【徐幹・斉都賦】礙ある林を焚き、園圃の草を燎く。
また音は此苟切、湊の上声に近い。【辺譲・章華賦】西施の柔腕を挽き、毛嬙の白肘を牽く。体軽やかにして美なり、風に伏す草の若し。
また【説文解字】音は自保切、皁に同じ。草斗とは、櫟の実を指し、橡斗子ともいう。【徐鉉曰】今俗間この字を草木の「草」と用い、別に「皁」字を作りて黒色の皁を表す。按ずるに、櫟実は帛を染めて黒となすを得、故に「草」と呼び、両字通用す。今俗書の字形あるいは「白」に従い「十」に従い、あるいは「白」に従い「七」に従うも、皆義なし。
考証:【説文】自保切、音は皁。斗は櫟の実なり、橡斗子。謹んで原文に照らし、「皁」字の下に「草」字を増補す。「橡斗」の上に「一曰」の二字を増補す。【徐鉉曰】実は帛を染めて白を黒と為すべし。謹んで原文に照らし、「白」字を「帛」字に改む。