康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1512 ページ)
【亥集下】【鹿部】麤;康煕筆画:33;頁碼:1512 頁 06 行
【唐韻】【正韻】倉胡切、【集韻】【韻会】聡徂切、音は粗。【説文】に「行きて遠し」とある。また【字統】に「警戒し防ぐ」とある。鹿の性は背を向けて食し、人と獣の害を防ぐゆえ、三つの鹿を組み合わせて字とする。また【玉篇】に「精細ならず」とある。【周礼・天官・内宰】に「その大小を比し、その麤と良とを較べて賞罰す」とあり、【疏】に「布帛の類は、糸細なれば精しく良く、糸太なれば麤しく劣る」と説く。また【玉篇】に「大なり」とあり、【礼記・月令】に「その器高にして大なり」と見え、注に「麤は大の義なり」とある。また【玉篇】に「疎略なり」とあり、【礼記・儒行】に「略してこれを挙ぐ」と見え、注に「麤とは疎略にして微なるを謂う」、また「急がずして為すを指す」とある。また「簡略なり」とし、【史記・陸賈伝】に「存亡の徴を略して述ぶ」と見える。また【顔師古・急就篇注】に「麤とは麻と枲とを雑えて作る履の名なり。南楚江淮の間、通じて麤と称す」とあり、【釈名】に「麤とは安の義なり。また足を安んずる所の物なり」と説く。また粗悪の飯食を指し、【左伝・哀公十三年】に「精なる者は尽き、麤なる者は猶ほ在り」、また【史記・聶政伝】に「故に百金を進じ、夫人の麤食の費に充てんとす」と見える。按ずるに、【六書正譌】に俗字として麄・觕と書き、通じて粗を用いるとあり、【韻会小補】に【集韻】の麤を或いは「」と作ると記す。しかるにこれ即ち【説文】の塵の字にして、麤の義とは異なり、一字に合せるは誤りなり。