康熙字典解説
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【申集上】【艸部】葱;康煕筆画:17;頁碼:1046 頁 15 行
古文に「蔥」と作る。『唐韻』および『正韻』には「倉紅切」、『集韻』および『韻会』には「麤叢切」とあり、音は「聡」に同じ。『説文解字』に曰く、菜なり。『本草綱目』に曰く、葱の字は「悤」に従い、形は直にして中空なれば、通達して虚霊なる象を有す。『礼記・内則』に曰く、春、膾を作るには葱を用う。
また剣の名を指す。『荀子・性悪篇』に曰く、斉桓公の剣の名を「葱」という。
また『爾雅・釈器』に曰く、青色を「葱」という。『詩経・小雅』に「瑲たる葱珩有り」と句あり。〔注〕に曰く、葱は蒼青色なり。『礼記・玉藻』に曰く、三命の官は赤き韍と蒼青の玉衡を佩ぶ。
また山名を指す。『後漢書・章帝紀』の注に曰く、葱嶺は敦煌の西に在り、山勢高くして葱多く生ず。
また『韻会』に曰く、気息の通達する様なり。『方氏礼記解注』に曰く、気息の通達するを「葱」という。『後漢書・光武帝紀』に曰く、舂陵城を遠望して嘆じて曰く、気象誠に佳し、鬱々として葱葱たり、生気溢る。
また『集韻』に「初江切」とあり、音は「窓」に同じ。『左伝・定公九年』に曰く、陽虎は「葱霊」と名づく車に匿れて、其中に寝て逃ぐ。〔注〕に曰く、葱霊は輜車の名なり。
また『韻補』に叶音「千剛切」とあり、音は「倉」に同じ。『黄庭経』に「五色の雲気紛として青葱たり、目を閉じて内に自ら相望む」と句あり。『玉篇』に曰く、俗体は「𦴊」と作る。『五経文字』は「葱」と作る。
蔥 『集韻』に曰く、「葱」の古字は「蔥」に作る。詳解は九画の部に参看すべし。