康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1140 ページ)
【酉集上】【角部】觕;康煕筆画:11;頁碼:1140 頁第 10。『広韻』『正韻』に倉胡切、『集韻』に聡徂切、音は粗。意味は粗大・粗疏にして、物が精細ならざるをいう。『公羊伝』荘公十年に「粗略なる攻めを侵といい、精心なる攻めを伐という」。注に「觕はすなわち粗の意なり」とある。また才古反と読む。また「粗」に通ず。『礼記』月令に「祭祀の器は高くて粗大なるべし」とあり、『呂氏春秋』には「觕」と作る。また『広韻』に徂古切、『集韻』に坐五切、殂の上声に読む。牛角の直ちに下に向かうを指す。また『韻会』に簡略の意あり。『前漢書』芸文志に「大略を得んことを願う」、また叙伝に「官職を粗略に列挙す」。師古曰く、「觕は粗略の意、大略の意なり。才戸反と読む」。『正字通』に、「『説文解字』は本来『麤』と作る。俗に『麄』『粗』と作るは非なり」とある。按ずるに『通雅』にいふ、「世人みな『觕』を『麤』字に当つるは、陸徳明・孫愐の誤りを襲えるなり。知らず、『觕』は粗の意なれども、『粗』の音に非ず。『漢書』に『麤觕』連用す。一地に両つの粗字ありて、かかる理あるや。古は大概おのおの『粗』字を作り、漢に至りて分かれ、『麤』は塵埃揚がる粗を表して平声に読み、『觕』は万事万物の粗を表して上声に読む。ゆえに班固『漢書』連用すれば音異なり、分かち用いれば同字なり。弁ぜずんばあるべからず」と。また『集韻』に鋤庚切、音は傖。「𧢲」と同じ。また『広韻』に尺玉切。「触」と同じ。