康熙字典解説
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【亥集下】【黽部】鼂;康煕筆画:18;頁碼:1524 頁 04 行。古文献に曰く、『唐韻』直遙切、『集韻』『韻会』『正韻』馳遙切、音「潮」に同じ。『説文』に「匽鼂」を指す。揚雄曰く、「匽鼂」は虫の名なり。また姓に用う。衛の大夫・史鼂の後なり。漢に鼂錯あり。按ずるに、『漢書・景帝紀』は「晁錯」と作り、本伝は「鼂錯」と作る。師古の注に曰く、古の「朝」字なりと。然るに『字書』を考うるに、「朝」「鼂」二字は音同じくして義異なり、全く相関せず。ただ「また姓」の条において、「鼂」字の下に「あるいは晁と作る」と言い、また「朝」字の下に「また姓に用い、通じて晁と作る」と言う。さればこの三字は元来一字に属すべし。虫名の条に至っては、これ「鼂」字の本義にして、「朝」字とは関係なし。また人名に用う。「庶長鼂」。『史記・秦本紀』に見えたり。また『広韻』陟遙切、音「昭」に同じ。「朝」字と同じ。『楚辞・九章』に「甲之鼂吾以行」とあり。王逸の注に曰く、「鼂」は朝を指す。『前漢・厳助伝』に「鼂不及夕」とあり。按ずるに、『正字通』に曰く、杜林は「鼂」を朝夕の「朝」に当てると為すが、林罕はこの説を是とせず。『同文備考』もまた、「鼂」を「朝」に仮借するは非なりと言う。然るに『楚辞』及び『漢書』の注に古の「朝」字なりと言い、かつ『広韻』もまた「朝」に同じとす。さればこの説もまた根拠なきにあらざるべし。