康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 581 ページ)
【辰集下】【歹部】殘;康煕筆画:12;頁碼:581 頁 37 行
『広韻』昨干切、『集韻』『韻会』財干切、音は〔カン〕。
『説文』に「賊なり」とある。『詩・小雅』に「廃して残賊と為す」とあり、『孟子』に「義を賊する者を残という」とある。
また『釈名』に「残とは践(ふ)むなり。践みて残壊せしむるなり」とあり、『書・泰誓』に「汝が万姓を残害す」とある。
また『史記・樊噲伝』に「東垣を残す」とあり、注に「多く殺傷するを謂う」とある。
また悪しきこと。『書・泰誓』に「彼が凶残を取る」とあり、『史記・陳餘伝』に「天下の為に残を除く」とある。
また放逐すること、殺すこと。『周礼・夏官』の大司馬の九伐の法に、「その君を放弑すれば、これを残す」とあり、『揚子・方言』に「殺すなり。晋・魏・河内の北では殺を残という。音は廩。あるいは洛感反」とある。
また食余のこと。杜甫の詩に「残杯と冷炙」とある。
また肉を煮るの名。張協『七命』に「鷰猩の脣、髦残象白」とあり、注に「髦は髦牛なり。残白は蓋し煮肉の異名ならん」とあり、崔駰『博徒論』に「羊の臛残」とある。
また残缺のこと。劉歆『太常博士に移す書』に「専ら己を守り残を守る」とあり、注に師古曰く「専ら己が偏見を執り、苟しくも残缺の文を守る」とある。
また穿鑿付会することを蕞残という。王充『論衡』に「蕞残車に満ちて道と成らず。玉屑篋に満ちて宝と成らず」とある。
また悪罵を残罵という。『揚子・方言』に「南楚の凡人、残罵するを鉗という」とある。
また貪暴なる吏を残吏という。『後漢書・明帝紀』に「残吏手を放つ」とある。
また五残は星名。『史記・天官書』に「五残星、正東東方の野に出ず。その星の状、辰星に類す」とあり、『正義』に「五残、一名五鋒」とあり、『前漢書・芸文志』に『五残雑変星』二十一巻があるとある。
また戔に通ず。『易・賁卦』に「束帛戔戔」とあり、注に子夏の『易』を引いて「束帛残残」と作る。
また『魏志』に「辰韓、楽浪人を阿残と名づく。東方の人、我を阿と名づけ、楽浪人は本その残余の人と謂う」とある。
また膾残は魚の名。皮日休の詩に「分明に膾残魚を数得たり」とある。
また『高僧伝』に「明瓚禅師、性懶にして残を食らう。号して懶残という」とある。
また『韻補』に「財先切に叶い、音は前」とあり、班彪『北征賦』に「首身分れて寤めざらんとも、なお功を数えて諐を辞す。何ぞ夫子の妄説せんや、孰か地脈を云いて残を生ぜんや」とある。
また『夢渓筆談』に「王聖美字学を治め、その義を演じて右文と為す。凡そ字、その類左に在り、その義右に在り。木類のごときは、その左皆木に従う。いわゆる右文とは、例えば戔は少なきなり。水の少なきを浅といい、金の小なるを銭といい、歹にして小なるを残といい、貝の小なるを賎という。此の類皆戔を以て義と為す」。按ずるに残の義は本より大小を兼ねて言う。姑くここに附記す。考証:『崔駰・博徒論』の「曤羊残」は、謹んで原文に照らし曤を臛に改む。